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近年のプロ野球中継や球場観戦で、監督が両手で四角形を描く動作を見たことがある方も多いのではないでしょうか? これは「リクエスト制度」と呼ばれる、プロ野球に導入されたビデオ判定の制度です。
プロ野球のリクエスト制度とは?
プロ野球のリクエスト制度とは、審判の判定に対して監督が異議を申し立て、ビデオ映像で再確認を求められる制度です。2018年にNPB(日本野球機構)で正式導入され、誤審を減らし、正確な判定を下す目的で運用されています。
MLBのチャレンジ制度に類似しており、試合の流れや勝敗を左右する重要な制度となっています。
導入当初は試験的な意味合いも強かったものの、現在では全12球団の試合に欠かせない制度として完全に定着。特にCS(クライマックスシリーズ)や日本シリーズでは、シーズン以上にリクエストの重みが増します。
リクエスト制度の基本ルール(2025年最新)
項目 | 内容 |
---|---|
制度名 | リクエスト制度(ビデオ判定) |
導入年 | 2018年 |
適用範囲 | セ・リーグ、パ・リーグの1軍公式戦、CS、日本シリーズ等 |
申請者 | 各チームの監督のみ |
回数 | 各試合2回(成功時は消費されない)+延長戦で1回追加 |
検証時間 | 最大5分以内 |
使用映像 | テレビ中継の映像 |
判定決定 | リプレー審判3人の多数決 |
補足:リクエスト申請時の注意事項
- ベンチ裏での映像確認後のリクエストは「即退場」対象。
- 審議中に抗議を行った監督・選手も退場処分の対象に。
リクエストできるプレー一覧
対象となる判定プレー
- アウト/セーフ(塁審)
- フェア/ファウル(打球)
- ホームラン判定(スタンドイン、ポール際など)
- デッドボール(特に頭部死球)
- コリジョン(本塁での衝突)
- 危険なスライディング(併殺崩しなど)
- 外野でのフェンス際プレー(捕球の有無)
対象外のプレー
- ストライク/ボール判定
- ハーフスイング
- ボーク
- 自打球の有無
- インフィールドフライの適用
映像で明確に確認できるプレーに限定されます。
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リクエストの流れと申請方法
- 監督の申請:プレー直後20秒以内に、監督が両手でスクリーンを描くジェスチャーを行う。
- 審判団が検証:リプレーセンターでビデオ映像を確認(最大5分)。
- 判定発表:
- 覆れば「成功」→リクエスト権維持
- 覆らなければ「失敗」→1回消費
- 延長時対応:10回以降に各チーム1回の追加リクエストが可能。
リクエスト制度の成功率と戦略的活用
平均成功率
リクエストの成功率はおおよそ30〜40%とされます。球団や監督ごとに戦略の差が見られ、成功率の高いチームは「状況判断が的確」だと評価されます。
成功しやすいシーン
- 満塁でのクロスプレー(本塁)
- 外野でのジャンピングキャッチ
- ホームランかフェンス直撃かの微妙な打球
- ダブルプレーかどうかの併殺プレー
実際の成功例
- 2023年の日本シリーズ第4戦で、満塁からのクロスプレーを阪神がリクエストし、判定が覆って同点に。勝敗を左右する重要な場面だった。
実際の失敗例
- 2024年交流戦、監督がタイミングを見誤って20秒以上経過後にリクエスト。審判に拒否され、試合の流れを失った。

NPB審判の判定の“クセ”とは?
審判も人間であり、長年の経験や判断基準に基づいた「クセ」や「個性」があります。リクエスト制度はそうした判定の傾向に対する“抑止力”にもなっています。
判定のクセの例
傾向 | 内容 |
---|---|
ストライクゾーンが広い | 投手有利になりやすい |
ストライクゾーンが狭い | 四球が増える傾向 |
塁審でのジャッジが早い | 映像で覆ることが多い |
慎重なジャッジ | 誤審は少ないがテンポが落ちる |
有名審判とその特徴
- 白井一行 審判:熱血審判。独特のジェスチャーと声で話題。やや狭いゾーン。SNSでもよくトレンド入りする存在。
- 敷田直人 審判:経験豊富で安定感あり。中立的な評価が多く、ジャンピングジャッジが有名。
- 橘高淳 審判:塁審での判定スピードが速く、リクエスト対象になりやすい。過去に複数回リクエストで覆されたことも。
リクエスト制度と審判の関係性
リクエスト制度の導入により、審判も「ビデオに映されることを意識した判定」をするようになっています。
この変化は、明らかに“感覚による誤審”を減らす方向に作用しており、試合の透明性や公平性向上にもつながっています。
特に「今はリクエストされるかもしれない」と意識することで、判定時の慎重さが増し、判定の質が向上していると指摘されています。
よくある質問(FAQ)
Q. リクエストは監督以外に申請できますか?
A. できません。監督のみが申請できます。
Q. ベンチ裏で映像を確認してから申請していい?
A. 禁止されています。監督がベンチ裏で映像を見てから申請した場合、退場処分の対象になります。
Q. リクエストが成功すれば回数は減らない?
A. はい。判定が覆った場合はリクエスト成功とみなされ、回数は消費されません。
Q. 映像に写っていない場合はどうなる?
A. 映像で明確に判断できない場合、元の判定が優先され、リクエスト回数は消費されません。
リクエスト制度を理解して、プロ野球をもっと楽しもう!
リクエスト制度は、プロ野球の判定の正確性と公平性を担保する重要な制度です。審判の判定傾向やクセを知ることで、観戦時の見方も深まり、野球の奥深さがより一層感じられるでしょう。
今後も技術の進化と共に、リクエスト制度は改善・強化されていくと予想されます。試合観戦の際は、ぜひリクエストのタイミングや判定の行方に注目してみてください!